【スローガン】
奮起
【基本理念】
自身を奮い立たせ、個の幸せ・世の幸せのための一歩を踏み出そう
【はじめに】
第６４代理事長を拝命するにあたり、愛する越後妻有地域（十日町市・津南町）をより素晴らしい地域へと発展させる為に、今日まで十日町青年会議所（以下、十日町ＪＣ）の運動 を繋いでこられた先輩諸氏に対し敬意と感謝の意を表します。 青年会議所（以下、ＪＣ）は、明るい豊かな社会の実現のために、地域により大きな影響を与える運動を展開していく組織です。そして会員の皆さんは、ＪＣがどんなものかわからないながらも、自分自身を変えたい・リーダーとしての資質を磨きたい・生涯の仲間をつくりたい等、様々な希望や決意を抱いてこの十日町ＪＣへ入会したことでしょう。そんな入会当時に抱いていた思いを、皆さんは持ち続けていますか。多かれ少なかれ、活動がおざなりになっていませんか。あらためて自身に問うてほしいと思います。 「何のためにＪＣに入り、 活動していくのか」を。 よりよいまちづくりを行うためには、個々の資質向上が必須であると私は確信しています。会員皆で成長し、地域に必要とされる十日町ＪＣであり続けるために、新たな一歩を踏 み出しましょう。それが個の幸せ・世の幸せに繋がるのです。
【郷土愛の醸成からなる地域活性化】
私たちが暮らすこの越後妻有地域には多くの魅力があります。自然豊かな里山や日本一の大河信濃川、季節によって表情を変える棚田や河岸段丘、さらには新潟県内で唯一の国宝である火焔型土器。そして２０００年より３年に一度開催されている「大地の芸術祭」には世界の様々な地域から観光客が訪れます。そんな越後妻有地域に心惹かれ、多くの方々がこの地に移住をされています。こうした郷土の素晴らしい魅力を大切に護りつつ次世代に繋 ぐことは、この地域に住み暮らす私たちの責務であると考えます。 しかしながら、私たちは自分たちの地域に対して愛着と誇りを持っているでしょうか。また来訪者や移住者がこの地域を素晴らしいと思う心をどれだけ理解できているでしょうか。
愛着と誇りがなければ、自身の住み暮らす地域の素晴らしさを次世代に伝えることは出来ませんし、他の地域の方々から素晴らしさを感じてもらうことも出来ません。 まずは私たちがこの地域の歴史や豊かな自然・文化を紐解いて肌で感じることで、郷土愛をより一層高めていかなければなりません。そして、住民と来訪者が交流し、この地域の素晴らしさを共有出来るような機会を創出することで、都市部への人口流出に歯止めをかけ、同時に新たな人の流れを生み出すきっかけとなります。十日町ＪＣだけで行なうのではなく、行政や多くの団体と連携することでより効果的な運動へ発展させ、「郷土愛の醸成から なる地域活性化」の達成を目指します。
【災害への備え・災害時の対応】
いつ襲いかかってくるかわからない地震や大雨等による大規模な自然災害は、地域に甚大な被害をもたらし、時として私たちの生命や財産を脅かします。そして前述の通り豊かな自然環境下にある越後妻有地域においては、その分災害の頻度が高く、大きなダメージを受ける可能性も高いと言えるのではないでしょうか。自然災害を完全に食い止めることは極めて困難ですが、災害時に被害を出さないようにする「防災」や、被害を極力小さくする「減災」のための知識や備えについて、私たちは地域住民に対し働きかけを行なっていかなけれ ばなりません。 この地域においては、新潟県中越地震発生から１０年の節目にあたる２０１４年に、私たち十日町ＪＣ・社会福祉法人十日町市社会福祉協議会・特定非営利活動法人セーフティネットぼうさいの３団体によって「越後妻有防災ネットワーク協議会」が発足しております。そして今日に至るまで、「災害への備えとしてどういった準備が必要なのか」「災害時における被害への迅速なる対応」について、意見交換や地域に向けた発信を行なってきました。この活動を継続しながら発展させると共に、防災意識をより多くの地域住民へ拡散していくために、私たち十日町ＪＣは越後妻有防災ネットワーク協議会の一員として先頭に立って行
動を起こします。また、前年度に引き続き「自然災害と直接的に関わる産業の重要性」についても触れ、若い担い手の確保、ひいては持続可能な災害に強い安心・安全なまちづくりに 寄与します。
【滞りない組織運営と情報発信】
十日町ＪＣが地域に影響を与える運動を展開するにあたり、いかに限られた時間を有効利用しながら中身の濃い活動が出来るかということが非常に重要となります。そのために、組織に必要な情報共有の場・議論の場・決議の場の全てを滞りなく運営することで、実りある機会を会員に提供します。このことが必ずや会員個々の成長を促し、会員同士で磨き合う ことの出来る環境づくりに繋がります。 また、活動を行なっている会員やその思いを地域内外の方に知っていただくことも不可欠です。事業やイベントは勿論、私たちの日々の活動や勉強したこと、議論のテーマや結論 を効果的な手法で発信し、会員個々の思いや私たち十日町ＪＣの活動情報を拡散します。
【会員の拡大と成長】
会員拡大はＪＣ活動の根幹です。志の高い人財が新たに加わることは、他の会員が持たない知識や感性、視点によって良い影響をもたらし、個々の会員や組織の質の向上に繋がります。その結果、組織が展開する運動の質や、会員個々の企業の質も向上し、地域社会へより良い影響を与えます。逆に会員が減少し続けることは組織に活力が無くなり、地域が衰退していくことになります。会員拡大を成功させる上で必要なのは、迅速な行動・あきらめない気持ち・他を思いやる心です。会員が拡大するメリットと会員が減少することにより必然的に起こる危、双方を共有したうえで会員一人ひとりを鼓舞し、決して他人ごととせずに組 織を挙げて会員拡大に取り組みます。 また会員拡大と並行し、会員や組織の更なる成長を促します。私自身の入会当時を思い返してみると、わからないながらもとにかく参加をして経験を積むことで、自分自身の成長を実感してきました。「何のためにＪＣに入り、活動していくのか」目的や価値観は人それぞれではありますが、ＪＣ活動を通じて得られる修練・奉仕・友情は、人が生きていくうえでの礎となることは間違いなく、どのような道においても必ず活かされます。人は経験を積めば必ず成長します。もっとＪＣに参加したい、もっとＪＣ活動に取り組みたいという心を会員の中に育みます。そして今後間違いなく組織を担っていく経験の浅い会員を中心に改め て学ぶ場を設けることで、運動を継続出来る組織への一歩を踏み出します。
【創始の心を重んじた十日町雪まつりへ】
越後妻有地域は最深積雪が平年でも２ｍを超える豪雪地域であります。このような気象条件において、住民は毎冬過酷な生活を強いられてきました。そんな中、雪を辛く厳しいものと認識するのではなく「雪を友とし、雪を楽しむ」という住民の自発的な思いから生まれたのが十日町雪まつりです。また十日町市は、日本で最初に住民が主体となって雪まつりを行ったことから、現代雪まつり発祥の地と言われています。雪まつり期間中に十日町市内各地に点在する住民手づくりの雪像は、十日町雪まつりの原点であり醍醐味でもあ ります。 十日町ＪＣでは先人たちの情熱のもと「コミュニティひろば」が１９７５年より受け継がれてきました。この事業は様々な困難を仲間と共に乗り越え、達成した喜びや感動を全会員で共有出来る尊い機会であり、会員の資質向上に大きく寄与しています。私たちは本年度で４５回目となるコミュニティひろばを運営することで十日町雪まつりの「創始の 心」を表現し、同時に会員同士の人間関係を深め、組織の質の向上に繋げます。
【子どもたちの成長を促す相撲】
十日町ＪＣは、わんぱく相撲を１９８５年から３５年間、途切れることなく継続してきました。その理由は、子どもたちが大人に成長していく過程において不可欠な要素が多く含まれているからです。礼節を学ぶことによって礼儀作法や相手を思いやる心を、そして 心身の鍛錬によって何事にもチャレンジする強い心を育むことが出来ます。 次世代を担う青少年を健全な大人にすることは、私たち大人の責務です。まずは私たちが正しい大人の背中を見せ、子どもたちを導きながら、３６回目となる「わんぱく相撲十 日町場所」を開催します。
【結びに】
私は２０１４年に十日町ＪＣに入会し、本年度で７年目を迎えます。多くの素晴らしい先輩の背中を見せていただき、それによってＪＣの魅力やあるべき姿を感じることが出来ました。目標に向かって仲間と真剣にぶつかり、立ちはだかる様々な壁を乗り越えて達成する。
その中で生まれた友情や物事を成し遂げた時の達成感、地域に貢献出来た喜びは、ＪＣなら ではの醍醐味ではないでしょうか。 会員一人が出来ることは限られ、多くは人の手を借りなければなりません。また人の手を借りるには、人の心を動かさなければなりません。まずは自分の気持ち、熱意がなければ話 になりません。熱意が伝わり共感され、はじめて相手の行動が起こるのです。 そして「百聞は一見に如かず」未知のものにはどんどん参加してみましょう。自身の知らない物事の価値を勝手に決めつけ、背を向けることだけは絶対にあってはなりません。「食 わず嫌い」はチャンスの放棄です。 お互いに切磋琢磨して高め合い、またＪＣでなければ出来ないことに挑戦し、地域に必要とされる人財・組織となれるよう前進していきましょう。この地域のために、そして自分自身のために。